撮影24日前。
「Yさんはいますか〜っ。」
フロア全体に響き渡るようなでかい声で自分の名前が呼ばれている。
声のした窓口の方をみると………
( ̄□ ̄‖)
そこには,40代後半で,身長は185cmはあり,かなりガッチリ系で,サングラスの奥には鋭い眼光の,とてもとても一般人には見えない方がいらっしゃった。
しかも不敵な笑みまで浮かべていらっしゃる…。
「あいにくYは外出しております。」
などと言おうか真剣に考えたが,とりあえずここは毅然とした態度で,
「あっすいませんどうも〜,私がYです。」
と言ってみた。
すると,
「私,鉄道捜査官の制作担当のKと申します。どうぞよろしくお願いします!!」
このあと1ヶ月にわたりKさんと仕事をするのだが,外見は夢に出てきそうなくらい怖いが,実は本当に心の優しい方であった。
簡単な台本の読み合わせを行い,そのままロケハンに出かけたのだが,車中でいろいろ話をする。Kさんは自衛隊出身で,しかも20年以上前に東根市に訓練で数週間いたことがあるため,山形にはちょっと思い入れがあるとの事であった。